カナビス知らずの

反カナビス・キャンペーンの嘘


イギリス政府の Talk to Frank

Source: UKCIA
Date: May 25th 2007
Subj: Talk to Frank action update - Cannabis explained
Author: Derek Williams, UKCIA
Web: http://www.ukcia.org/activism/cannabis_explained_frank.php


イギリスにも、他の国と同様に、「Talk to Frank」 という政府の反ドラッグ・キャンペーン・サイトがある。その中のカナビスに関する内容は、2004年にカナビスの取締り分類が B から C へとダウングレードされたのに機に、以前のような恐怖心を煽るものから少しは現実に合わせて改善が行われた。

しかし、その後3年を経過しているが、2007年5月に発行された反カナビス・キャンペーン・リーフレット 『Cannabis Explained』 では相変わらず間違った記述があちこちに見られる。その多くは、反カナビスとしてのバイアスだけではなく、実際には、著者たちがカナビスそのものの事実を知らないところから派生している。

その最も端的な例は 「スカンク」 の説明に見られる。Frank によれば、スカンクは従来のカナビスとは全く違って格段に強い効力があり、シンセミラに置き換わって登場したことになっている。そのスカンクをステレオタイプに仕立てて、効力の著しい増加でカナビスの危険も加速度的に増加しているというストリーを展開しているのだが、実際にはスカンクはシンセミラそのものでしかない。

害削減のためには何よりも事実を伝えることが第一の基本だが、以下の反論記事では、事実にもとづかない嘘を誇張で上塗りすることに熱中するばかりで、現実に起こっている危険については関心も示さない反カナビス・キャンペーンの観念的実態と問題点を的確に指摘している。


2007年6月5日アップデート −− 内務省から連絡があり、UKCIAが提出した Talk to Frank の最新リーフレット 「Cannabis Explained」 に対する批判 「コメントに応えて内容を検証」 するように、保険省に要請したと知らせてきた。

2007年6月30日アップデート −− 現在、Talk to Frank のサイトから 「Cannabis Explained」 は直接ダウンロードできなくなった。cannaprag campaign blog 参照。

今回検証したリーフレット 『Cannabis Explained』 のPDF(キャッシュ)は
ここ からダウンロードできます。

本文
ページ
内容 PDF
ページ
はじめに - カナビスのC分類への変更について 3
Frank 活動の現状 4
ブレイン・ウエアハウス・キャンペーン 5
カナビスとは何か?   (間違った記述あり) 6
どのような人がカナビスを使っているのか? 7
カナビスの種類   (全くのフィクション、ほとんどの情報が間違っている) 8
カナビスの効き方とリスク 9
カナビスのリスク (続き) 10
カナビスと精神の健康 11
10 カナビス使用の兆候発見と害削減   (危険で誤った情報も含まれている) 12
11-12 法律 13-14
13-16 Talk to Frank の反カナビス・キャンペーンを支援するには 15-18



まず最初に指摘しておかなければならないのは、驚くべきことにこのリーフレットでは、カナビスへの異物混入という極めて重要な問題が全く扱われていないことだ。

この問題は、カナビスの供給元を壊滅する目的で2006年の夏から開始された警察の一斉手入れ作戦が直接の引き金になって起こされたもので、微細なガラス・ビーズや砂、グラスファイバーなどの異物がバッズに吹き付けられた 「
グリット・ウィード」 が爆発的に出回って、予想もできない健康への恐怖をもたらした。

2007年1月には、保健省が警告を発する 事態にまで発展し、Talk to Frank のウエブサイトでも取り上げられた。かつては 「ソープバー」 と呼ばれる危険な異物の固まりのようなハシシが出回ったことも知られているが、このリーフレットにはどういう訳か、このような現実に健康を脅かす恐れのある要注意情報が全く掲載されておらず、まずもって筆者らの見識を疑わざるを得ない。



1.はじめに - カナビスのC分類への変更について

このリーフレットでは、のっけから、反カナビスのFrank の人たちが、カナビスをどのようにイメージしているかを端的に表す写真から始まっている。

この写真は、これからシリアスな問題を扱おうとしている割には、本気なのかどうかを疑わせる。よく見れば確かにカナビスの葉だが、知らない人にはカナビスが木の落ち葉にしか見えないだろう。

ようこそ

カナビスは、古代から医薬品や精神活性物質として使われてきました。スキタイやトラキアさらに古代ヒンズーの人々が、何千年にもわたってカナビスを栽培し、食用にしたり、宗教や余暇目的で吸ったり燃やしたりしていたことが知られています。

しかし一方では、カナビスが、人々の精神や身体の健康に害をもたらす恐れのある薬物であることも古くから知られていました。そのために、イギリスでは1928年にカナビスの個人使用が禁じられて以来、今日でも違法になっています。

最初の段落と、2番目の段落のカナビスが1928年から禁止されている部分は正しいが、害が古くから知られていたという記述は少し言い過ぎで、このリーフレットで主張しようとしている偏った情報に合わせるための作為が働いている。実際に悪害が叫ばれ出したのは20世紀になってからのことだが、現在では、その主張の大半も誤りであることが示されている。

2004年1月29日、イギリス政府のドラッグ戦略の見直しにともなって、カナビスはB分類から規制の緩いC分類へと区分が変更されました。その2年後には分類を戻すかどうかの再見直しが行われましたが、ドラッグ乱用諮問委員会(ACMD)の勧告に従って、政府はC分類のままにとどめることを決めています。

この決定に対してはいろいろな批判もありましたが、一部の予想に反して、C分類への変更にもかかわらずカナビスの使用が増加しなかったこともあって、やむを得ないこととして受入れられています。実際、16才から24才までの青少年のカナビス使用は、1998年に比較して昨年は24%も減少しています。

また、委員会は、カナビスと精神病の関連については、前回の見直し時に比べて懸念が大きくなっていると勧告しましたが、それでも依然問題は小さいと発表しています。しかしながら、重要なことは、カナビスの害がB分類のドラッグよりも小さいというだけに過ぎず、カナビスには害があり違法であることには何ら変わりがないという点です。

「一部の予想に反して、C分類への変更にもかかわらずカナビスの使用が増加しなかった」 ということは、歴代の内務大臣がカナビスに対する法改革に反対してきた理由も間違っていたことを意味している。強調しておかなければならないのは、C分類への変更でカナビスの使用が増えると予想し期待していたのは禁止論者だけで、その他のほとんどの人はそうは思っていなかったことだ。実際、禁止論者の主張の土台になっている仮定は根拠が薄弱で、まともな議論に耐えない。

カナビスと精神病の問題は、後に指摘するように大げさに誇張されている。また、最近の下院科学技術委員会の報告では、カナビスがB分類のドラッグよりも害が少ないばかりか、二つの合法ドラッグであるアルコールとタバコに比較しても害が少ないと指摘しているが、そのことには何故か触れていない。

今回の新たなFrank 活動の目的は、カナビスをめぐる問題について人々の理解を助けることにあります。ここでは事実と統計を使って、カナビスがC分類のままに据え置かれた理由とその法的な意味合いを説明し、カナビスの使用が引き起こす現実の健康リスクについて広範な情報を提供しています。

また、政府に対するドラッグ乱用諮問委員会の勧告には、特に子供や未青年や若年成人を対象に、より広い公共教育と情報提供の必要性も指摘しています。

教育や情報提供が必要なのは間違いないが、政府がこれまで決して真実を語ってこなかったわけで、以下に見るように、ここでも、一方的に偏った情報や、歪曲された事実、さらに露骨な嘘を並べたるだけになっている。

このリーフレットの想定読者の中心は、現在そのような活動をしている人たちや、あるいはこれから活動に加わろうとしている人たちで、11才から24才までの若者とその親たちに自信を持って対応できる支援ツールとして使っていただくことを目的にしています。

言い替えれば、このリーフレットのターゲットは、若者にアドバイスしたり情報を提供している活動家、つまり、事実にもとずいた公正で信頼できる情報を求めている若者から信用されなければならない人ということになるが、しかし、このリーフレットにはそのような情報はほとんど含まれていない。



2.Frank 活動の現状


カナビスに関する質問は、Frank のヘルプ・ラインにかかってくる電話の中でもかなりの割合を占めています。 Frank では毎月3万本あまりの電話を受けいますが、そのうちの30%がカナビス関連です。

大半の電話は、お子さんがカナビスを使っていることを心配した親御さんからの相談で、どのようにしたらよいのかアドバイスを求めています。親御さんは、健康への影響、とりわけ精神病問題に強い心配を抱いています。次に電話が多いのは、カナビスを使っている人たちからのもので、自分ではどうすることもできないパラノイヤのような問題についてアドバイスを求めています。

はたして30%という比率は多いと言えるのか? 承知のように、違法ドラッグの中ではカナビスが圧倒的に広く使われている。そのために、メディアの格好の攻撃材料になっているし、Frank のヘルプ・ラインの宣伝もあちこちで見かける。それなのにカナビスの相談は、電話全体の3分の1のたったの30%しかなく、しかも大半が親御さん相手のものだという。残りの大多数を占める3分の2の電話相談とはいったい何についてなのだろうか? 是非教えてもらいたいものだ。

また、このページには、国中で展開されているFrank のキャンペーンが 「イギリス全体の32地区で250人の若者のボランティア」 がいるという興味深い記述がある。だが、これでは1地区平均7.8人の若者ということになり、サッカーのチームすらできない。



3.ブレイン・ウエアハウス・キャンペーン

続いてリーフレットでは、「ブレイン・ウエアハウス」 (脳味噌商会)という失笑もののキャンペーンについて書かれている。

イギリス政府は2004年1月のカナビスの分類緩和を前にして、従来の反カナビス・キャンペーンDK−2を Talk to Frank に改めて立ち上げ直し、少しは現実に合わせて改善が行われたが、2006年1月のドラッグ乱用諮問委員会(ACMD)の勧告で、カナビスと精神病の問題についてさらなる研究や教育の必要性が盛りこまれたのを機に、10月末からテレビで ブレイン・ウエアハウス・キャンペーン を開始した。

2006年に、Frank はインターネットでの情報提供の他にも全国向けのテレビとラジオで、特にカナビスを使うことのリスクに焦点を当てたキャンペーンを開始しました。一連のキャンペーンでは、『ブレイン・ウエアハウス』 というコンセプトを展開し、「以前のカナビスと違って、現在の強い品種を使うと、より滅茶苦茶になって精神までおかしくなる」 というメッセージを届けました。

テレビでは、ブレイン・ウエアハウスのショップで、カナビスのネガティブな影響で傷んだ脳味噌の取替え用脳味噌を販売しているが、この広告はまさに現在のドラッグ政策が行き詰まっていることを象徴している。以前のような露骨な脅しが通用しないことから採用されたソフトタッチのコンセプトだが、実体は1930年代に繰り広げられた「リファー・マッドネス」 キャンペーンの焼き直しになっている。

Frank は、現在のカナビスが以前よりも強力になっているという前提を当然のこととしてキャンペーンを展開しているが、これは、タブロイドの「スカンク」 神話 の二番煎じに過ぎない。この前提は決して真実とは言えない。強いカナビスはいつの時代にもあったし、効力の強いカナビス・オイルも古くから使われている。確かに、今日ではそうした強いカナビスを入手しやすくなったとは言えるが、以前よりも強いカナビスの品種が新たに出現したわけではない。

Frank キャンペーンが実施した調査では、若者たちが一般に、カナビスの害については注意を払っていないことが明らかになっています。自分の体験や見たことや噂話をもとにして、カナビスの使用がそのままではアルコールほど害にならず、精神や身体に何のリスクもないと思い込んでいるのです。

若者の見方が正しいことは、下院科学技術委員会の 報告書 でも確認されている。害に関しては、カナビスはアルコールよりもはるかに下にランクされている。



カナビスがしばしば引き起こす問題は、家にこもって、お金を使い果たし、無気力に過ごすといった 「ライフスタイル」 に陥りやすいことです。

精神の健康問題は、その人の精神脆弱性がカナビスの使用によって顕在化した結果起こると言われています。しかしながら、こうした問題は、身体的な健康問題よりも予想が付きにくく、ランダムに出現することが知られています。

この見方は正しい。しかし、問題はどのようにして子供たちをきちんと守れるかということにある。そのためには、現状が示している通り、禁止法は何の役にも立たない。カナビスの売買を認めて規制管理することで、子供がカナビスを入手できないようにすべきだが、もちろんFrank は分かっていない。

Frank のブレイン・ウエアハウス・キャンペーンは、こうした不確実さとリスクという観点に立って作られています。キャンペーンでは次のメッセージが中核になっています。
かつてない程カナビスの効力が増しているために、カナビスの効き方を予測することがますます困難になってきている
カナビスを使うことがますます結果の分からないルーレットのようになってきている。どのみち無気力になるか脱落してしまう
カナビスで混乱していると、精神まで無茶苦茶になってしまう
 
キャンペーンは、特定のエリアではバス停やバスの車内でも行っています。また、Frank のストリート・マーケティング・チームでは、街中にいる若者に配る啓蒙用スクラッチ・カードも用意しています。

ここでも、カナビスが以前より強力になったという嘘を繰り返している。さらに、それを理由に精神がおかしくなると話を誇張している。キャンペーンのメッセージは、嘘を誇張で拡大した間違った情報になっている。



4.カナビスとは何か?  (間違った記述あり)

カナビスに関する説明は次のように始まっている。

カナビスは毎年種から育つ一年草で、間隔のある側枝をたくさん持っています。葉は幅の狭いブレード状の小葉から構成される複葉で、先端には、たくさんの小さな緑の花が房状に付いています。原産地はヒマラヤ北部の山岳地帯だと考えられていますが、今日では地球上のあちこちの地域で栽培されたり、野性化して成育しています。カナビスから作られたドラッグは、世界では最も広く使われているリクレーショナル・ドラッグの一つです。

植物についてはその通りだし、ヘンプの商業利用にも触れている。このまでは申し分なしだが、どういうわけか医療利用については何も書かれていない。

カナビスには、麻酔の成分として、カナビノイドと呼ばれるさまざまな化合物が含まれています。その中でも最も特徴的なのがTHC (Δ9−テトラヒドロカナビノール)です。カナビスに含まれるTHCは、脳の中にあるレセプターと相互作用することで、リラックス感や、多幸感、注意力の散漫、時間や空間の歪み、臭覚や視覚や味覚の変化、食欲の増進などを引き起こします。こうした状態は俗に 「ハイになる」 とも言われています。

最初にカナビスが「麻酔」だと書いてあるが、必ずしも正しくはない。異論もあるが、通常は「精神活性」ドラッグに分類されている。これなどは Talk to Frank の粗雑な言葉使いの典型例の一つだが、ここではひとまずそのことだけを指摘しておく。

確かに、THCは著しい作用を持った化合物で、ユーザーをストーンの状態 (イギリスでは、ハイという言葉は滅多に使われない) にするが、ストーンはTHCだけではなく、その他にもCBD(カナビジオール)など数種類の活性成分が作用し合って起こる。品種の異なるカナビスではその成分比率も異なっており、全く違ったストーンの状態になる。特に、CBDについては過去には余り考慮されてこなかったが、現在では、非常に大きな役割を果たしていることが分かってきている。

カナビスの栽培

医療・宗教・リクレーショナル用途として栽培されているカナビスの品種では、THCの含有量が高い傾向にありますが、産業用に使われるヘンプのTHC濃度は低くなっています。どのようなものを収穫するかによって、それぞれの栽培者は異なった方法で育てています。

これは、その通り。

ここ20年間の品種改良や栽培技術の進歩で、世界中で多様なカナビスが開発され、品質や効力も一貫して増加してきました。そうした進歩とすればシンセミラ技術などを始め、水耕栽培に適した品種改良、クローニング技術、照明を使った室内栽培などがあります。その結果、現在では、過去の歴史では存在しなかった強力なカナビスが出現したのです。

しかし、ここで、Talk to Frank の醜い嘘情報が一気に噴出する。最近のカナビスの効力が強まっているというストーリーにこじつけるために書かれたこの段落の記述は大半が間違っている。

カナビスは、千年以上も前から世界中で多種多様な品質が栽培されており、効力の非常に強いカナビスも栽培されてきた。実際、シンセミラ技術も古くから知られている。

また、クローニング技術は単に同じ植物を再生するだけで効力が増えるわけではなく、水耕栽培も単に管理しやすい理想的な栽培環境というだけであって、効力の強い植物が育つわけではない。

「その結果、現在では、過去の歴史では存在しなかった強力なカナビスが出現した」 というのは全く事実に反する。



5.どのような人がカナビスを使っているのか?

(このページの上部に使われているパイプの写真は、カナビス用というよりはクラック用?)

まず、ジャマイカ特有のラスタファリ信仰に触れているが・・・

ラスタファリ

ラスタファリを信奉するラスタファリアンたちは、ジャーと呼ばれている神と一体となるために身体と心を清めるスピリチュアルな行為としてカナビスを吸っています。多くのラスタファリアンは、カナビスがアフリカ古来の薬草だとして、アフリカ大陸を想い、そこに帰る定めを表現するものとして使っています。彼らの信ずるところによれば、聖書の中のジャーの言葉は明確にそのことを物語っているとされています。

「あなたは、野の草を食べなければならない。」 (創世記 3−18)

だとすれば、合法であるほうが道理というものではないか? 少なくとも私にはそう思えるのだが、Frank はなぜダメだというのだろうか・・・

全体への広まりとその傾向

今日の世界では、カナビスが最も広く使われているリクレーショナル・ドラッグになっています。イギリスの犯罪調査2005/2006のデータによれば、16才から59才までのイギリス人で過去1年にカナビスを使ったことのある人は8.7%と見積もられています。

カナビスの使用は、特に若者たちの間で広まっています。そして、一部の若者たちは、現在ではカナビスが合法で、天然の植物からできているので害も引き起こさない、と誤解しています。

イギリスにおける2005/2006年のカナビス使用状況は次のようになっています。
11〜15才の子供の12%が過去1年間にカナビスを使ったことがあり、最も頻繁に使われた違法ドラッグになっている。
16〜24才の若者では21.4%が過去1年間にカナビスを使ったことがあり、最も頻繁に使われた違法ドラッグになっている。
また、カナビスは過去1ヵ月間に最も頻繁に使われた違法ドラッグで、若者の13%が使っている。
 
しかしながら、カナビスの使用状況は1998年以降は減少傾向にあります。このことが、先に実施されたカナビスのB分類から規制の緩いC分類への変更の背景にもなっています。また、分類変更以降も、若者のカナビス使用が短期的にも増加したというような報告はありません。

「今日の世界では、カナビスが最も広く使われているリクレーショナル・ドラッグ」 というのはもちろん誤りで、最も使われているのはアルコールというのが常識。それとも、アルコールは正真正銘のドラッグではないとでも言うのだろうか?

さらに、Frank は、ここで再び、カナビスの違法度を下げてもカナビスの使用は増加しないと指摘している。ところが、合法化はダメだと言う。全く奇妙な主張だ。

もし、若者たちがカナビスを合法だと考えていたら、政治家や広告代理店の人間が考えている 「違法度を下げる」 という奇妙なコンセプトを、そもそも若者が素直に理解できるはずもない。



6.カナビスの種類
   (全くのフィクション、ほとんどの情報が間違っている)

ここでは、「LowDown」 してカナビスの真相を明かすと大見えを切ったFrank が、いよいよ墓穴を掘りだす。

このページでは、イギリスで入手できるカナビスの形状的種類の違いを述べているが、Frank は本当のことは知らずに、手前味噌の想像で自分に都合のいい定義をしまくっている。ただ唖然。

(カナビスの種類については、カナビス・プロダクトの形態 も参照)

カナビス樹脂 − ハシシ
乾燥させたカナビスの葉の表面をこすったり削ぎ落したりして得られた茶色の物質を圧縮して固めたもの。
色は緑がかった茶色から黒までいろいろある。また、軟らかものから、砕けやすいもの、粘性のあるもの、固いものまでさまざまな形態をしている。
時にはクッキーやケーキにして食べることもあるが、普通はタバコに混ぜてジョイント(スピリッフ)にして吸う。
効力の強さや品質にはバラツキがある。イギリスで見られるのは、主にモロッコ、パキスタン、アフガン、レバノン産。
THC含有量は2〜10%。*

ハシシは茶色ぽいし、その他の情報も概ね正しい。だが、Frank は、ハシシの作り方に関する理解があいまいでハシシの本来の性質がよく分かっていない。その結果、最後のTHCの含有量の情報の異様さに気づいていない。

ハシシは、カナビスの花の周辺の花頭や小さな葉からこすったりゆすったりして取り出した植物の細かい腺毛から作る。したがって、ハシシは、活性成分が集中する腺毛部分だけできている。活性成分の少ない繊維などの植物質が取り除かれているので、当然のことながら、元の植物よりもTHCの濃度が高く効力は強くなる。

もし、THC濃度が2%というようなハシシがあるとすれば、それは間違いなく異物が混入されている。本物のハシシは効力が非常に強く、そのような弱いものはハシシとはとても言えない。

イギリスでは、「ソープバー」とか「ソリッド」と呼ばれる異物の固まりのような低濃度の偽ハシシがよく知られているが、おそらくFrank はそのことを分かっていない。

一般に、ハシシのTHC濃度は15%〜30%ぐらいで、次に出てくるハーバル・カナビスよりも強い。ただ、保存性が悪く、短期間に劣化しやすい傾向もある。

また、伝統的な高品質のハシシは、一般に、室内で栽培されている最近の品種に比較すると医療効果の大きいとされるCBDが多く含まれている。だが、Frank は、そうした性質にも触れようともしない。

ハーバル・カナビス その1 − マリファナ
葉や花頭のバッズを乾燥させて切り刻んもの。しばしば種や茎が混じっている。
外見はさまざまで、色は緑や茶色などがあり、乾燥させた葉や茎はもろく、粉状にしたものもある。
通常、タバコに混ぜたジョイントやパイプやボングで吸う。
イギリスで見られるのは、アフリカ、南アメリカ、オランダ、タイ、カリブ産など。
一部にはイギリス国産のものもある。
THC含有量は1〜5%。*

マリファナという言葉はカナビス全般のことを指して使われることも多いが、ハーバル・カナビスを指して使う場合は、最近では、「マリファナ」 と 「バッズ」 は別のものとして区別されている。バッズは、植物の花頭そのものを乾燥させたもので粉にはなっていない。したがって、下葉や太い茎などは混じりようもないが、マリファナは粉状なので、普通、増量のために効力の弱い下葉や茎なども粉にして混ぜられている。

また、マリファナは、別のマリファナあるいは混入物とミックスされることがあるが、バッズにはミックスやブレンドという概念はない。茎や種の多いマリファナは、特別な形態というよりも単に品質が悪いだけに過ぎない。

さて、いよいよFrank 劇場の本領が・・・

ハーバル・カナビス その2 - シンセミラ
自然に発生した品種で種子が付かない。
オス株を除外して栽培される。
THCの含有量は、ハシシやマリファナの2〜3倍。*

Frank は、「シンセミラ」 というスペイン語を種子のないという意味で使っている。確かに、スペイン語としては間違っていないが、イギリスで使われる場合は、種子が無いというよりも、普通は、受粉させずに種子ができないように育てた植物のことをシンセミラ、または「センシ」と言っている。

また、シンセミラと呼ばれる特定の品種があるわけではなく、どのような品種であっても栽培途中でオス株が見付かったら、花粉ができる前に除去してメス株だけを育てればシンセミラになる。自家栽培者でも大規模栽培者でもたいていはシンセミラになるように育てている。

Frank、さらに調子にのって、いよいよ出まかせ真骨頂・・・

ハーバル・カナビス その3 - スカンク
効力が非常に強い。人工的に改良されたハーバル・カナビス用の品種で、強烈な匂いと強い精神効果で有名。
さなざななブリーディング技術と栽培法を使って育てられる。
収穫後、受精していないメス花頭を乾燥させて作る。
通常、タバコに混ぜてジョイント(スピリッフ)にして吸う。
西ヨーロッパ、特にオランダを中心に出現し、20世紀後半にはカナビス・コミュニティの間で効力の強いハーブとして人気を獲得してシンセミラに置き換わった。
THCの含有量は8〜20%。*

このデタラメには嫌味を言わずにコメントすることは実際に不可能に近いが、それを抑えて説明すると、カナビス・コミュニティで使われている「スカンク」という言葉は一種のスラングで、普通は、「室内の照明の下で栽培されたシンセミラ」 の意味で、特有の品種を指しているわけではない。

確かに、最初のスカンクは、アフガン・タイ・メキシコの品種を交配して改良された特定の品種の名前だったが、その後、背丈が高く成育期間の長くなるタイ種が室内栽培に向いたコロンビア種に置き換えられ、現在では、さらに他の品種と交配された○○スカンクという名称の付いた種子がシードバンクで20種類以上販売されている。

実際には、そうしたスカンク系の品種は数百種類もあるカナビスの品種の一部に過ぎず、特に多く栽培されているというわけでも、特に匂いが強烈なわけでも、特に効力が強いわけでもない。また、もともとスカンクは遺伝子操作などで「人工的に改良された」のではなく、普通の品種改良の技術によって作られたもので、特殊な栽培法があるわけでもない。

また、カナビスの品種では、インディーカ種、サティバ種、ルデラリス種の基本的な3種類をさまざまに交配させて、照明環境下で短期間によく成長する品種や、変わった効き方のする品種が作られているが、その点ではスカンク種も他の品種と何ら変わらない。こうした品種改良技術は、古来から行われてきたさまざまな農作物や家畜の改良技術と同じで、特に新しい科学技術が使われているわけではない。

つまり、スカンクは実体的には 「室内の照明の下で栽培されたシンセミラ」 そのもので、「シンセミラに置き換わった」 わけでも 「効力が強いことで有名」 なわけでもない。しかし、カナビス・コミュニティでは、「スカンク」 の持つ独特で強いニュアンスのイメージが好まれ、やがて固有名詞が一般名詞化して、強い品種のハーバル・カナビス全体を指す愛称やキャラクターとして使われるようになった。

だが、Frank の言う「スカンク」は、実体のない架空の品種をステレオタイプとして想定しているだけで、悪辣なタブロイドの受け売りに過ぎない。

確かに、今日栽培されている品種の多くはここ数十年に品種改良で交配されて出現したものではあるが、基本となっている品種は何千年も昔から伝統的に栽培されてきたものだ。しかし、近年、それらの品種は危険だと叫ばれるようになって禁止され、根絶の対象となった。イギリス政府もそれに深く関与してきた。

こうしたカナビスの禁止法によってもたらされた経済状況は、限られたスペースで短時間に簡単に育てられる高品質の品種の改良を促進させることになった。つまり、ここ10〜20年で、効力の強いカナビスの品種が入手しやすくなったのは、禁止政策による経済的な圧力の必然的結果と言うことができる。

さらに、販売目的の大規模な栽培では、禁止法の存在で規制ができないために、多量の化学肥料や農薬が使われるようになり、製品に予測不能の残留農薬が含まれる事態を招いている。これもFrank が押し進め擁護してきた政策の結果でもある。

また、おかしなことに、ハーバル・カナビスにはマリファナ、シンセミラ、スカンクの3種類あるというFrank の主張に従えば、医薬品として開発されているサティベックスも、その素性から考えて、まさに危険な「スカンク」ということになってしまう。

(品種改良については、カナビス・ドクター・コネクション、ホルタパームの歴史とGW製薬との接点 も参照)

最後に、Frankはカナビス・オイルについても触れているが・・・

カナビス・オイル
カナビス・オイルは、ストリートでは非常に珍しく、滅多に使われていない。
黒味がかった粘性のある液体で、カナビスの樹脂から精製する。
樹脂に溶剤を浸透させて作る。
タバコのシガレット・ペイパーに塗り付けたり、タバコに混ぜたりして吸う。
THC含有量は、平均で30%以上。*

Frank は知らないようだが、カナビスの効力が弱かったと言われている1960〜70年代には、カナビス・オイルはよく使われていた。実際に、オイルは非常に強いが、精製が面倒なのと扱いずらいので、その後のシンセミラの登場とともにほとんど姿を消した。

次の間違いはあまりにも明白で、その原因まで容易に分かる・・・

*TCH contents sourced from Young People and Cannabis, Healthwise 2004
(原文のまま)

この文は、チェックもせずに単にカット&ペーストしただけ。もちろん、TCHはTHCの誤りだが、この誤りは、Talk to Frank が以前に発行した出版物 (ウエブ上にはないが、今回のものよりもさらに間違いや嘘の記述に満ちている) からそのまま引き継いでいる。

要するに、このページは全くのがらくたで、嘘の情報で誤解を撒き散らしている。明らかに何も調べていないし、検証もしていない。事実にもとづいた文書を出すことが要求されている政府が、このような嘘情報を出すことは全く受け入れ難い。



7.カナビスの効き方とリスク


効き方とリスク

ハシシであれハーブであれ、あるいはオイルであれ、カナビスは広い範囲で精神や身体に影響を引き起こします。カナビスの効き方は、もとになっている植物の品種や改良の状況、効力や純度、摂取量、使用時の外的環境、ユーザーの心が体の状態などさまざまな要素に影響を受けます。

簡単に言えば、カナビスも、他のあらゆるドラッグと同じように、効き方を予想することは困難なのです。

ここでFrank が言っていることは、植物の異なる品種がさまざまな違った効果をもたらすという意味では全く正しい。当然のことながら、品種が異なれば、それに含まれるいろいろな活性成分の量や比率も異なるからだ。

とは言っても、Frank はカナビスの効き方が予測できないと警告したがっている。だが、実際には、効き方の不確実さは次の2点が根本的な原因になっている。

不純物、つまりカナビスに異物が混入されることで、効き方に大きな影響が出て予測できなくなる。異物が混入されるのは、売人が重量やガサを増やして儲けを大きくしようとするからで、違法な故に品質規制できないことが根本的な原因になっている。さらに、警察の取締りが厳しくなればなるほどこの傾向に拍車がかかりより異物の混入が増える。皮肉なことに、ユーザーを危険にさらす混入物の増加が、禁止政策の成功度合を示す指標になっている。カナビスが合法ならば、このような異物混入など最初から起こらない。

カナビス自体の不確実さは、禁止法に阻まれて、売られている品種やTHCの含有量などの情報を知ることができないことが原因になっている。もし、カナビスが合法ならば、普通の商品のように適正な内容表示が義務づけられ、このようなことは起こらない。

したがって、これら2つから生じる不確実さは、カナビスそのものが原因ではなく、Frank が主張している禁止政策そのものがもたらしている。

また、外的環境という問題も、やはり禁止法が原因になって、安全でリラックスできる場所で使うことができず、「アンダーグランド」 な場所に追いやられることから派生している。

もちろん、使う時の心と体の状態は、スポーツなどどのような活動であっても非常に重要な要件であってカナビスに限らない。しかし、ここでも禁止法が、カナビスの適切な使用法を教育することを阻んでいる。

Frankにとっては思いもよらないことかもしれないが、結果として、さまざまな意味で禁止法こそが不確実さを助長する最大の役割を果たしている。

同じ量の同じカナビスでも、人によって効き方が異なります。ジョイントを数服しても何も感じない人もいれば、すぐに効いてくる人もいます。

その他に、カナビスの効き方を決める要素としては次のようなものがあります。
吸ったのか食べたのか
効果的なフィルター・システムを使ったかどうか
アルコールや処方医薬品など他のドラッグを一緒に使ったかどうか
ユーザーのカナビスに対する耐性の度合

この指摘の大半は妥当だが、カナビスを食べた場合の不確実さは、禁止法によって製造法に全く標準がなく、カナビスの含有量が予測できないことが大きく影響している。

短期的な効果としては次のようなものがあります。
マイルドなリラックスした鎮静効果
多幸感
物事への集中、明晰な気持ち
集中時間の縮小、関心が短期間で移動する
時間や空間感覚の歪み
視覚、聴覚、臭覚などの変化
食欲の増進(マンチ)

これが、まさに 「ストーン」 と呼ばれる状態で、必ずしも不快でネガティブなわけではない。

その他にも、カナビスを使うと次のような影響が出てきます。
脈拍の増加
血圧の低下
めまい、方向感覚の喪失
協調運動や運動能力の低下
抑制心の減退
緩慢な動作
パラノイアやイライラや不安
吐き気や嘔吐
色やパターン感覚の強調
性的興奮、性行為の楽しさ
免疫力の低下
目の充血、口の乾き

免疫力の低下ということに関しては、そのようなことが本当に起こるのかどうかについて多くの議論があり、リストに載せるには早計過ぎる。また、その他の影響についても、アルコールの影響全体に比較すればずっと穏やかだということができる。

他のドラッグとの併用

一度に複数のドラッグを使うことは危険で、予期できない結果を招くことがあります。カナビスもその例外ではありません。ハシシや樹脂やスカンクなどに他のドラッグをミックスすると、効果が影響し合いリスクが非常に大きくなります。例えば、カナビスをアルコールと併用すると事故のリスクが増大したり、幻覚剤などを混ぜて使うと深刻なバッド・トリップに陥ることもあります。

「ハシシや樹脂やスカンクなどに他のドラッグをミックスする」 というフレーズは、レイアウトばかりに気を使って、本文には無神経にカット&ペーストした前と同じエラーに見える。もちろん、カナビスの種類で樹脂と言えばハシシのことなので(Frank も前のページでそう書いている)、違うもののように並べて書くのは不自然だ。

アルコールは、そもそも、合法・違法にかかわらずどのドラッグや医薬品とでも併用すれば危険だ。しかし、同じ幻覚剤に分類されているLSDやマッシュルームの場合は、特にトリップの終盤に併用する限りは大きな問題が起きたという例は今まで知られていない。また、ハシシとバッズを併用しても同じカナビスなのでリスクが増えることはない。

確かに、他のドラッグと併用するなというアドバイスは基本的に間違っていない。だが、実際問題として、カナビスの場合に最もリスクが大きいのはタバコとの併用なのだが、どういうわけかここでは触れられていない。



8.カナビスのリスク (続き)


ドラッグ乱用諮問委員会(ACMD)の報告書では、カナビスの使用によって引き起こされる短期・身体的な重大リスクの一つに、運動した時と同じような血圧と脈拍への影響を上げています。この症状は、心臓系の動脈疾患で不整脈のある人や高血圧症の人にとっては危険で、特に自分にそうした疾患があることに気づいていない場合には重大な問題に発展することがあります。

また、カナビスの影響下では協調動作や集中力が失われるので、特に、自動車を運転したり、機械を操作したりした時に事故を招くことがあります。

またまた、Frank は反論されることを意に介さず、当てこすりコメントを繰り返し声高に叫んでいる。

「カナビスの使用によって引き起こされる短期・身体的な重大リスクの一つに、運動した時と同じような血圧と脈拍への影響」 があると述べているが、この警告は、反カナビス派の使い古された究極の常用句に過ぎない。もし重大なリスクになるのなら、なぜすぐにサッカーを禁止しないのか? 一般警告とすれば、間が抜け過ぎている。

だが次の、ストーンしている時に、運転や機械の操作をしないようにというアドバイスは正しい。

長期的影響

カナビスの長期使用による悪影響については、決定的な証拠はまだあまり揃っていません。

これを翻訳すれば、人類は数千年以上カナビスを使ってきたが、深刻な長期的害は一つも見付かっていないということで、カナビスの使用を止めさせようとすることは止めようと言っているのに等しい。

しかしながら、カナビスに害があることは確かで、人の精神や身体の健康に深刻な悪影響が起こることもあります。

この主張を支持する確実な証拠がないことも「確か」。

例えば、カナビスを喫煙すると、タバコよりは大きくないにせよ、少なくとも同程度の喘息の悪化や呼吸器系の障害を引き起こす恐れがあります。

カナビスの喫煙についてはさまざまな方法があり、特にタバコを混ぜたりしないでより安全に吸うことを奨励するキャンペーンもたくさん行われている。確かに、喫煙が喘息を悪化させることがあるのは事実だが、一方では、カナビスには喘息の発作を顕著に軽減する作用があることも事実だ。

また、カナビスを長期使用すると、慢性気管支炎になる人が増加したり、肺や喉のガンを引き起こす可能性もあります。

確かに、喫煙は健康に良くない。しかし、カナビスの喫煙でガンになるリスクが増える可能性は実際にはなく、THCがガンの成長を抑制することが示されている。
神話 カナビスのタールはタバコの4倍 を参照)

さらにまた、妊娠中にカナビスを使うと、タバコと同様に胎児に悪影響を及ぼすこともあります。

処方医薬品も含めて、妊娠中はいかなるドラッグも避けるのが賢明で、特にカナビスだからということではない。

また、長期間にわたってカナビスを頻繁に使っていると、男女共に生殖能力に問題が起こるという証拠が見付かっています。特に、カナビスに含まれるTHCは精子の活動に影響して卵子に到達する能力を低下させることが知られています。したがって、子供を持とうと考えているカップルにはカナビスが障害になることもあります。

カナビスが避妊薬になるという事実はなく、カナビスを使っている人たちの子供が特に少ないという報告もない。実際には、何人も子供を持っている人も少なくない。

正直に言って、いかなるドラッグであっても、特にヘビーに長期間使っていれば何らかの悪影響が出てくる。だが、実際問題として、合法であるアルコールの長期過飲で引き起こされるリスクに比較すれば、ここに列挙された程度のカナビスのリスクで、何百万人の人々を処罰の対象としなければならにほどの正統性がいったいどこにあるというのだろうか? 

おっと、まだ続きがあった・・・



9.カナビスと精神の健康

このページでは、カナビスと精神病の問題を扱っている。まず、最初にここで断っておくが、筆者のUKCIAでは、以前からもこれからも、「未成年」のカナビス使用には決して賛成しない立場を堅持している。

たとえカナビスと精神病に因果関係があろうとなかろうと、あるいは未成年者に影響があろうとなかろうと、諸々の理由から、子供たちをカナビスの使用やカナビス文化から切り離しておこうとすることは明らかに良識のある考え方だと言える。

UKCIAは、そのためにこそ、カナビスを合法化して供給を規制管理し、未成年がカナビス入手できない環境を作ることをめざして 
キャンペーン を繰り広げている。

だが、Frank は、カナビスの供給のコントロールや制限をどうするかといったオプションについては考えようともしていない。しかも、さらに悪いことには、大人よりも子供の方が精神病になるリスクが高いという重要な事実について全く触れていない。おそらく、これは禁止法の建前上、大人と子供を区別して扱うことができないという事情が絡んでいる。

(カナビスと精神病については、検証 カナビスと精神病 も参照)

カナビスと精神の健康

ここ数年で、カナビスの使用と精神病の発症および悪化との間の関連性を示す医学エビデンスがいろいろ明らかになってきています。さらに、最近の効力の強いカナビスの増加にともなってその関連性はますます複雑な様相を呈してきています。一部の人たちは、カナビスの使用が、数年後にうつ病や精神疾患や統合失調症のような精神の問題を引き起こすトリガーになっていると主張しています。

少なくともこの問題に関しては、「一部の人たちが主張している」 という不明確で反論を許さぬ表現は、事実をもとにした文書としてはふさわしくないのではないか。

確かに、カナビスと精神病の間には関連性があるが、それは必ずしも因果関係があるということを意味しているわけではない。関連性の理由とすればいろいろなケースある。例えば、精神病に苦しんでいる人は、それを癒すためにドラッグを使うことが普通の人よりも多いことが知られている。その最もよい例はタバコやアルコールで、病んだ人たちの間では目立って多く使われている。

当然、カナビスにおいても、タバコと同じようなことが当てはまると考えてもおかしくない。さらに、カナビスの場合は、坑精神薬との間で相反作用を起こすといった可能性などもあり、相関的な関連性についてはさまざまな理由が考えられる。

2005年にカナビスの再分類について検討したドラッグ乱用諮問委員会(ACMD)では、カナビスと精神病の因果関係を主張する研究についても徹底的な検証が行われましたが、その報告書の結論には、カナビスの精神の健康への影響は顕著に見られるとして、次のように書かれています。

自動車の運転のような継続的な注意力と身体コントロールが要求される作業の遂行能力に悪影響をもたらす。

これは、「精神の健康への影響」 というわけではなく、単に酔っ払っているだけのこと。

しばしば救急病院で治療を受けなければならないような、パニック、パラノイア、混乱などの急性中毒症状を引き起こす。

実際には、病院に行かなければならないように例は 非常に稀れ にしか起こらない。誰でも経験するようなカナビスのバッド・トリップは、静かな場所で甘い飲み物などを飲みながら1時間ほど休んでいればたいていは収まってしまう。死亡することもあるアルコールの悪酔いに比較すれば非常に穏やかで、深刻な問題にまで発展することは滅多にない。
バッド・トリップの対処法 を参照)

ヘロインやコカインほどではないが、カナビスの使用頻度が多く長期間にわたる場合、ユーザーによっては依存症を引き起こす。

カナビスでも、多くの嗜好品や活動と同様に、やめられなくなって依存症に陥ることもある。しかし、ヘロインやコカインやタバコのような中毒とは性質が違うので、一緒にすることは適切ではない。

統合失調症の人の症状が突然激変し悪化することがある。

これは、深刻な精神病を患っている人にとっては、カナビスを使う上で非常に重要で実践的な情報だ。しかしながら、一方では、特定の病気を抱える人にとってのリスクであり、大多数の人にとってのものではない。

そもそも、これまで述べてきたように、リスクにはそれぞれ特有の理由や条件が介在しているものなのだ。実際、Frank も興味深いことを書いている。

ですが、エビデンスは因果関係を示唆していることは確かであっても、統合失調症に発展するための原因としては、カナビスを使っていることが必要条件でも十分条件でもありません。イギリスでは、過去1年間に300万人以上の人がカナビスを使ったと推計されていますが、それが原因で統合失調症になったとされる人は非常に少なく、統合失調症になった人の多くはカナビスを使っていません。入手可能なデータによれば、カナビスの使用が統合失調症に発展するリスクは、ほんの僅かな人に限定されたものになっています。

これは、カナビスと精神病についての非常に重要な情報だ。だが、どういううわけか、ページの一番下に隠すように書かれている。

いずれにしても、ACMDの報告書の結論では、カナビスには間違いなく害があるが、ドラッグ乱用防止法で現在B分類に指定されているアンフェタミンやバルビツール酸塩やコデインなどに比較すれは、害の程度はきわめて低いと述べられています。

カナビスは、さらに、ドラッグ乱用防止法には全く含まれていないアルコールよりもはるかに害が少ない。しかし、なぜかこのことについては触れていない。

また、興味深いことに、Frank は、子供のカナビス使用が大人よりもリスクが大きいという指摘を取り上げていない。この重要な指摘については、リシンクなどの民間グループでは以前からキャンペーンの中核に据えられてきたが、一方では、禁止法という枠に縛られているFrank にとっては、そもそもこれを問題として取り上げることができないという必然的なジレンマを抱えていることを示している。



10.カナビス使用の兆候発見と害削減   (危険で誤った情報も含まれている)


カナビス使用の兆候

カナビスを使っている人には、それを示す兆候があります。それらの兆候としては次のようなものが上げられます。ただし、テーンエイジャーの普通の振舞と重なっているものも一部あります。

これを翻訳すれば、子供のカナビス使用を相手に気付かれずに調べたい親なら、以下のようなスパイの技術を駆使する必要がある、ということになる。

汚れや臭い。指や手、衣服などにシミや汚れが見られる。タバコやカナビスの臭いは長く残る。
瞳孔が大きくなる。
クスクス笑い。
記憶の喪失。
気分のゆらぎ。突然の空腹におそわれる。
秘密主義。ドラッグ・ユーザーは孤立的で、友達とすら情報を共有しようとしない傾向がある。
いつも眠たそうにしている。
態度が突然変わる。
学校や趣味、仕事、スポーツ、友達などへの興味を失う。
集中力や意欲がなくなる。
協調性がなくなる。

カナビスを使っている兆候には、カナビスそのものよりも、喫煙器具などの状況証拠のほうが多く見られます。

捨てられたライターやマッチ。
自家製のパイプやボング。
タバコが散らばっている。
シカレット・ペイパーや、フィルターにするために引きちぎられたタバコのパッケージ。

あまり拘る必要もないが、なぜオープンに子供と話ができる関係を築づこうとしないのだろうか?

長期的な依存性や害の兆候

深刻な咳や気管支炎。
呼吸器系の障害。
喘息症状の悪化。

これらの症状はタバコとの関連のほうが大きいが、タバコならOKということなのか?

精神病の悪化。うつ、不安、精神疾患、統合失調症の人の症状が突然激変し悪化する。
記憶の喪失。

もともと、これらはさまざまな原因で起こるので、子供がカナビスを使っているかどうかにかかわらず心配しなければならない。

害の最小化

カナビス使用に関連するリスクを最小限に抑えるためにはいくつもの方法があります。もちろん、吸う量を減らしたり止めたりするのが一番なのですが、次のような方法も知られています。

禁止キャンペーンは、もともと、「使うな」 「自制しろ」 が専売特許だが、実際には、害を削減するためにはいろいろな方法がある。Frank もいくつか方法を書いているが・・・

1. ジョイントはフィルターを入れて巻く。研究では、カナビスを吸うには、一酸化炭素の吸引量が少ないジョイントが最も害の少ない方法であることが示されています [*]。  しかしながら、タバコを混ぜたかどうかに関係なく、カナビスの喫煙はリスクを伴う行為であることには変わりません。

害削減のためにこのような方法を提唱している文書があるとはちょっと信じ難い。カナビスにタバコを混ぜたかどうかに関係ないという主張はタバコには害がないと言っているに等しく、全く誤った間抜けな情報になっている。これは、浮世離れした人たちが、ろくに検証もないで書いた思いつきを単にコピー&ペーストしただけなのように見える。

ここで取り上げているアドバイスは、おそらく、同じ量のカナビスでもジョイントで吸うと効き方が強くなるという何年か前のアメリカの研究から来ている。だが、アメリカでは通常ジョイントにタバコを混ぜることはないので、ヨーロッパとは全く事情が異なる。実際、イギリスで普通になっているタバコ入りのジョイントの喫煙は、カナビス・ユーザーにとっては最大の健康リスクになっている。

[*] カナビスを喫煙ではなく食べれば安全だと言う人もいますが、実際には危険で、予期できない結果を招くことがあります。

食べた場合に効き方が予期できない原因は、禁止法のせいで効力や純度に基準や規格がないために起こっている。禁止法がなく基準が整備されていれば、実際には、カナビスの食用や飲用による摂取は、個人による効果の強さや長さには違いには幅があるものの一度経験してしまえば喫煙よりも安全性が高い。

共有パイプを使う場合は、最初に吸い口をライターの炎で消毒するようにします。熱で消毒すれば、風邪のウイルスならば完全に退治することができます。また、さらに恐ろしいヘルペス、インフルエンザ、B型肝炎などのウイルスの感染の危険を減らすことができます。
カナビスの他のドラッグを混ぜて使わないようにします。どのようなドラッグであっても、混ぜると危険で予期できない結果を招くことがあります。ドラッグ関連の害とすれば、ドラッグの併用が最も主要な原因になっています。
カナビスとアルコールを併用すると、しばしば前後不覚な状態になることがあります。したがって、飲酒しているときにカナビスを吸うのは良いとはいえません。
一部の人たちは煙を肺に満たしてホールドするほうが効果が大きくなると信じていますが、最近の研究では、そのようにしても一酸化炭素の吸入量が増えるだけにしかならないという結果がでています。
カナビスの影響下にあるときの自動車の運転や機械の操作は事故を招く恐れがあります。ドラッグ運転は、飲酒運転と同様に違法運転になります。

だいたいは妥当なアドバイスになっているが、4番目は、アルコールがドラッグではないと言いたいように感じる。また、なぜかタバコを混ぜないでカナビスだけで吸うように、という重要なアドバイスが欠落している。

UKCIAは、最も重要なアドバイスとして、カナビスに決してタバコを混ぜないことを第1項目として付け加えておく。カナビスのリスクに比較すれば、タバコには発癌性があり、中毒性も高く、死亡原因になることが知られているからだ。それにしても、このような危険性のあるタバコが合法で、そうではないカナビスがどうして違法なのか?



11 - 12.法律

法律のセクションには、カナビスの禁止法についてあれやこれや細かく説明しているが、そもそもこの法律自体がまともな論拠もなく嘘にもとづいたものなので、評価にすら値しない。



13 - 16. Talk to Frank の反カナビス・キャンペーンを支援するには

このセクションは、反カナビス・キャンペーンのメッセージを広めることについて書かれている。

政府の諮問機関であるACMDの報告書では、特に子供や未成年、若年成人に対する公教育の実施と情報の提供の必要性について強調しています。この課題への挑戦は地域レベルの活動が最も大切です。以下では、この挑戦に真向から取り組む人たちのために、活動の要点の数々とやり方について概要を解説しています。

とは言うものの、反カナビス・キャンペーンに都合のよいことだけで、全面的に真実を語ることを奨励しているわけではない。

コミュニケーションのためのキー・ポイント

カナビスの2004年のB分類からC分類へのダウングレードで、一部の人たちは 「カナビスが無害で合法になった」 と受けとめてしまっています。

これはタブロイド新聞の受け売りで、真実とはいえない。カナビスには害があるものの、さまざまな面で合法なアルコールやタバコよりも害が少ないことは人々によく理解されている。また、政府は、自分の政策を正当化するために嘘をついて情報をコントロールしていることもよく知られている。特に、ドラッグ問題については露骨で顕著だ。

このリーフレットの残りの部分は、現在の政策を推し進める目的ために、上で指摘したような誤った情報を広めるための要点を解説している。